二重瞼とは
日本人には一重まぶたの人が多いのですが、じつは世界的にみれば、一重まぶたは少数派。圧倒的に二重まぶたの人種のほうが多く、一重まぶたは、北東アジア地域の人種の、モンゴル、中国、日本人という限られた地域に存在します。一重まぶたは、東洋的で、エキゾチック。と思う人も多いのですが、西洋人の文化が主流になっている現代では、パッチリした二重まぶたに憧れる人も多いようです。二重まぶた形成の手術法
二重まぶたの手術法には大きく2つの方法があります。■埋没法
まぶたにメスで小さい切開を加え医療用の糸で皮膚を折りたたむように二重を作成し、糸の結び目を中に埋没する方法です。術後の回復時間が早いことと万が一、糸がはずれてしまったり、思うような結果が得られなかった場合にやり直すことが可能な点から多くの人が希望する手術法です。■切開法
まぶたの皮膚を切開して、余分な筋肉や脂肪を取り除き、表面の皮膚を縫合するのが「切開法」です。 切開して縫った部分が二重のラインになります。切開するので、二重瞼が一重瞼に戻ることはないですが、形が気に入らないからといって簡単にやり直しがきかないということもあります。切開法は脂肪が厚い人でも、誰にでもできる方法です。眼瞼下垂とは
瞼の役割を述べましたが、健康的に開閉できて、その役割ができていれば、一重まぶた、二重まぶたであろうと、本来、問題はありません。しかし、瞼が開けにくくなるという病気があります。それが「眼瞼下垂」。なぜ瞼が開けにくくなるのでしょうか。 瞼を開けるのは、眼瞼挙動という筋肉ですが、その筋肉を動かすのは、動眼神経という神経です。この筋肉または神経の異常があるために「瞼が開けにくくなる」という病気が起こるのです。「眼瞼下垂」は、大きく分けて 1.先天性の病気の場合、2.後天性の場合で、とくに後天性の場合は、コンタクトの長期装着、加齢とともに眼瞼挙筋の筋力が低下するために起こる「加齢眼瞼下垂」です。後天性眼瞼下垂は、ある程度の下垂を起こし始めると、物を見るときに、瞼を無理に開けようとアゴを上げる姿勢を取り、瞼をより開けようと、眉を引き上げ、額にはシワが寄ります。こういった状態が続くことで、頭痛、肩や首、背中の凝りなどもひどくなっていきます。 さらに、「眼瞼下垂」と同じ症状を表す重症筋無力症や動眼神経麻痺、外眼筋ミオチーといった筋肉、神経の病気もあります。これは、その病気自体を治療する必要があります。眼瞼下垂の治療法
■先天性眼瞼下垂の場合
おもに眼瞼挙筋の形成不全によって起こります。瞼を開けるのに関係する筋肉は先に述べたように動眼神経の指令で動く眼瞼挙筋と、交感神経の緊張で収縮するミューラー筋です。眼瞼挙筋の機能が残っているか否かで治療法は異なり、少しでも残っていれば、眼瞼挙筋を切開して短縮する挙筋短縮法。 残っていない場合には、筋膜移植と呼ばれる方法で、組織を採取し移植します。■後天性眼瞼下垂の場合
後天性の場合は、筋力の低下や皮膚の弛緩が下垂をもたらしている原因です。 そこで、筋肉を傷つけず瞼版と挙筋筋膜を糸で固定する治療を行います。また、皮膚が伸びて視野が妨げられている状態の場合は、皮膚を切除することで視野を確保する治療もあります。美容整形では「上眼瞼切開」「アイリフト」と呼んでいます。■Q&A
二重まぶたの手術は、術後、まぶたが腫れないのでしょうか?
二重まぶた形成術のなかで、埋没法が一番腫れの少ない方法です。しかし、まったく腫れないのではなく、1週間程度は目立つほどではないですが、若干の腫れはあります。糸を止めた部分は少し青黒く見えることもあります。術後はできるだけ冷やすことで、腫れの度合いも少なく、腫れている期間も短縮できます。いっぽう、切開法では、ほとんどの方が強く腫れます。切開法は術後一週間目に抜糸をしますが、それから1週間~10日間程度は、多少の腫れや内出血した状態が続くことが多いようです。しかし、次第に落ち着いて行き、約1カ月で自然な感じになります。埋没法では糸が取れてしまう場合もあると聞きましたが本当?
実際に、糸がとれて二重のラインがなくなってしまうケースがあります。そういった方は、瞼の脂肪が厚く、本来、切開法のほうが向いているといえるでしょう。眼瞼下垂かどうかを自分で判断する方法はありますか?
まず、次の点にあてはまるかどうかで判断しましょう。まぶたが重く感じる、おでこのシワが深い、上瞼が窪んでいる、眼精疲労が強いなど。さらに、瞼を閉じた状態で、両眉の上を強く押して、目を開けてみましょう。おでこに力を入れず目が開けられればいいのですが、目が開けにくい、または、おでこに力が入ってしまう人は、眼瞼下垂の可能性があります。