ボトックスとは
シワ治療の代表的な注入法としてすっかり知名度が高くなったボトックスの注入法。ボトックスとは、正式名称を「ボツリヌストキシン」といい、ボツリヌス菌が産生させる神経毒素のこと。そのままだと毒性が強いのですが、美容に使用されるものは毒性やアレルギー反応も弱めたものです。医療としてボトックスが使用される主な理由は、注入によって筋肉と神経の結合部に作用し、筋弛緩作用があるため。痙攣などの症状に使用されてきました。ボトックスが美容目的として使用が注目され始めたのは、2002年、FDA(アメリカ医薬食品局)が、眉間のシワへの治療認可を出し、この薬剤が、加齢とともに表情筋の動きの習慣によって起こる眉間のシワを薄くする効果があることが正式に認められたためです。さらに、2004年には多汗症の治療にもFDAの認可が降りています。現在、クリニックで美容目的に行われているシワ治療や小顔治療、多汗症などは、認可外適用といって、医者の裁量で行われているものです。そのことを理解したうえで、医師からきちんとした説明を聞き、納得したうえで施術を受けることが大切です。治療法
■表情筋によって起きる眉間や額のシワ
眉間や目尻、額にボトックスを注入して、筋肉の動きを弱め、表情ジワを改善していきます。効果は3日目くらいから表れて、4~6カ月は持続します。■小顔効果のためのエラ治療
四角ばったアゴが気になるという人は、筋肉の咬筋が発達している場合があります。それが気になるという人は、咬筋にボトックスを注入して、筋肉を弛緩させて筋肉のボリュームを減らします。1度の注入で約6カ月~1年持続し、その間に筋肉のボリュームが減って行きます。
■多汗症治療
ボトックスは、汗の分泌を支配している神経をブロックすることができます。それによって汗腺の働きを抑え、多汗、汗による臭いの分泌を抑制することができます。1回の治療で4~6カ月効果が持続します。Q&A
ボトックスで小顔になると聞きましたが、本当ですか?
ボトックスで小顔効果が得られるのは、咬筋が発達しているために、アゴのラインが張っている方に有効な治療だからです。骨格的にアゴが張っている人や骨格自体が大きいという人に小顔治療としては薦められません。ボトックスの効果は、筋肉の動きを弱めることによって得られるものであるからです。ちなみに、咬筋が発達している人でも、咬筋の働きを完全にブロックすることはできません。そのため、ボトックス治療をする際にも咬筋の働きを多少弱めるという方法で、咬筋の状態によっては、数回に分けて徐々にエラの張りをとっていく方法をとる場合もあります。ボトックスの副作用はあるのでしょうか?
前述したように、ボトックスはその筋弛緩作用がもたらす効果によって、シワ治療、多汗症治療、エラ治療を行います。とくに、顔にボトックスを注入した場合、筋弛緩作用が起きるので、表情が出にくくなったり、つっぱった感覚を感じる場合もあります。ボトックスの打つ箇所や量は熟練した医師が的確に行わないと、「瞼が開けにくくなった」といった不都合が生じる場合もありますので、安心できるクリニックで受けることが大切です。